普段主にBlenderを、たまにFusion360等のCADを使うのですが、作業の効率化に3Dマウスが良いと聞き、AmazonでSpaceMouse(スペースマウス)を即買いしてしまったので早速レビューをしていきたいと思います。
結論から言うと、かなり使う人によって評価が分かれるだろうなという印象です。少なくとも私にはあまり合いませんでした。
そもそも3Dマウスとは
CAD等でモデリングをする際などには様々な視点変更をする必要がありますが、ご存じのように従来のマウスは平面的な動きのみの操作しかできないため、Ctrl・Shift・Altキーなどを用いる必要があります。
3Dマウスは、マウス自体で上下・前後・左右・回転等の動作を行うことができるため、大幅に手の移動が抑えられ、疲れにくくかつ効率的に作業できるというふれこみの入力装置です。
3Dマウスの仕組み
今回購入したSpaceMouseは12個のフォトトランジスタを用いて、内部に取り付けられているLEDからの光当たり方で上下左右の動きを検出し、立体的な動きを表現しているそうです。
実際にSpaceMouseを分解している外国の方の動画が非常に興味深かったので、もしお時間があればご覧ください。
SpaceMouseのデメリット
これだけ聞くと、3Dマウスは素晴らしい夢の入力装置のように思えますが、実際に使ってみるとそうもいきませんでした。
前提として、私が普段使っているのはほぼBlenderであり、かつポリゴンモデリングがメインです。
ショートカットキーを押すのがめんどくさい
Blenderはショートカットキーが膨大な数存在するため、せっかく視点操作にキーを使わなくなったとしても、手がふさがってしまいショートカットキーを押す際には結局手を動かさなければいけないため、場合によっては寧ろ手の移動が増えてしまいます。
ショートカットキーが使えなくなる問題は、今回購入したSpaceMouseの上位機種である、いくつかのキーが付いているSpaceMouse Proですら問題になることでしょう(いくつかキーが付いたところで何も変わらない)。
画面酔いしやすくなる
画面酔い・3D酔いをしやすい方は、特に初めのうちはかなり酔うかもしれません。私は画面酔いしやすいほうなので、はじめは作業が続行できなくなるくらい酔いまくりました。
結構値段が高い
左手デバイス系は高いものが多いですが、2万を超えるのは少し高いと言わざるを得ません。
ただ、分解動画を見た限り、めちゃくちゃ開発コストがかかってそうなのでしょうがないのかもしれません。
ソフトウェアのカスタマイズ性が低い
左右のボタンに割り当てられるショートカット等のカスタマイズ性があまりよくないです。個人的にはマウスクリックを割り当てられるようにしてほしいと感じました。
コネクタがMicro USB Type-B
いまだにコネクタとケーブルがMicro USB Type-Bです。個人的にはUSB Type-Cであってほしかったなと思います。
SpaceMouseのメリット
ここまでかなり文句ばかり書いてしまいましたが、もちろんメリットもあります。
触っててめちゃくちゃ楽しい
めっちゃ楽しいです。これにつきます。重さ、形状、動き、かっこよさ、すべてが完成されているように思えます。
ハンドスピナーを触っているときの楽しさを倍増したような心地よさがあります。触ると画面が動くのが嫌になるくらいです。
疲れにくい(スカルプト時のみ)
スカルプトモデリング時のみ限定ですが、謳い文句にあるように、確かに疲れにくいです。2Dのイラストを描くときの視点変更にも便利かもしれません。
まとめ
以上のように、3Dマウスはかなり人を選ぶなと思いました。スカルプトのように直感的に操作するタイプのモデリングには最適であると感じますが、従来のポリゴンモデリングのようなモデリングしかしない場合は必ずしもおすすめはしないと思います。
ただ、触っているだけで楽しいので、作業中に何か触っているのが好きな方にはとてもおすすめです。